[Web Tool] Audio Gain — 音量をそろえる ブラウザ完結型 音量調整ツール

[Web Tool] Audio Gain — 音量をそろえる ブラウザ完結型 音量調整ツール

概要

Audio Gainは、ブラウザの中だけで動く、音量をそろえるツールです。音声ファイルは、サーバーへ送られません。

ファイルごとにばらばらな音の大きさを、全部同じにするために作りました。複数のファイルを、まとめてドロップして、目標の音量を決めて、「変換して保存」を押すだけです。ふだんの画面は、それだけで足ります。困ったときは、F1 キーを押すと、「やりたいこと → やり方」を探せます。

  • 対応する形式: MP3、M4A(AAC)、WAV、OGG、FLAC、Opus。MP4、WebM などの動画ファイルからは、音だけ取り出します
  • 音量をそろえる: 聴こえる大きさ(LUFS)を測って、目標の値にそろえます。目標は、配信 −14、声 −16、放送 −23 から選べるほか、自由に決められます
  • 音が割れない: 音量の上限(初期値 −1 dBTP)を守る、リミッター付きです
  • まとめて: 複数のファイルや、フォルダごと、ドロップできます。書き出しは、ZIP でまとめて、フォルダに保存、1 つずつダウンロードから選べます
  • ノイズ対策: 低音の雑音のカットと、電源ハムの除去が選べます(初期値は「なし」)
  • 書き出し: 元の形式のまま、MP3、M4A、Opus、FLAC、WAV。元のタグとジャケット画像を、引き継げます

開く

インストールは不要です。下のリンクから、そのまま開けます。

スタートメニューから起動

トップページのスタートメニューからも起動できます。

Audio Gain の全体。2 つのファイルが -14.0 LUFS にそろった一覧と、右の設定

スクリーンショット

全体の画面

左がファイルの一覧、右が設定です。ファイルを入れると、すぐに音量を測ります。「現在の音量」「ピーク」「調整」「変換後」が、1 行に並びます。

Audio Gain の全体。2 つのファイルが -14.0 LUFS にそろった一覧と、右の設定

設定

上から、音量、ノイズ対策、書き出し、保存の方法です。

右の設定。音量、ノイズ対策、書き出し、保存の方法

F1 ヘルプ

F1 キーで、「やりたいこと → やり方」を検索できます。 F1 キーで、「やりたいこと → やり方」を検索できます。

アプリの特徴

  • 音声ファイルは、サーバーへ送られません: 読み込みも、測定も、書き出しも、ブラウザの中だけで行います
  • 聴こえる大きさでそろえます: 波形の高さ(ピーク)ではなく、人の耳に近づけた音量(LUFS)で、そろえます。聴いた感じが、そろいます
  • 音が割れないようにします: 音量を上げて、上限を超える所だけ、リミッターが、滑らかに下げます
  • ほぼ目標どおりのファイルは、そのままコピー: 差が 0.05 dB 未満なら、再エンコードしません。音質は変わりません
  • ふだんの画面は、シンプル: 探すときは、F1 です

まず試す

  1. Audio Gainを開きます。
  2. 音声ファイルを、画面にドロップします。複数でも、フォルダごとでも、かまいません。
  3. 右の 目標の音量 を決めます。迷ったら、−14(配信向け)のままで大丈夫です。
  4. 一覧の「変換後」が、目標になっていることを確認します。
  5. 変換して保存 を押します。初期値は、ZIP でまとめてダウンロードします。

元のファイルは、変更されません。書き出したファイルの名前には、元の名前の後ろに _gain が付きます。

使い方

1. ファイルを入れる

画面にドロップするか、「ここにドロップして追加」をクリックして、選びます(Ctrl+O でも開けます)。フォルダをドロップすると、中の音声ファイルを、全部入れます。

入れると、すぐに、音量を測ります。長いファイルや、数が多いときは、少し時間がかかります。

2. 一覧の見方

項目意味
現在の音量そのファイルの、いまの音量(LUFS)。0 に近いほど大きい音です
ピーク波形の一番高い所(True Peak、dB)
調整目標に合わせるために、上げ下げする量(dB)
変換後変換したあとの音量(計算上)
状態変換の結果。リミッターが働いたときは、最大でどれだけ下げたかも出ます

「試聴」の ▶ で、聴けます。上の「調整後の音量 / 元の音量」で、聴き比べができます。試聴は簡易です。リミッターの効果は、正確ではありません。

3. 目標の音量を決める

目標こんなとき
−14 LUFS(配信)YouTube や Spotify などの基準に近い値。迷ったらこれ
−16 LUFS(声)ポッドキャスト、ナレーション。Apple Music の基準に近い値
−23 LUFS(放送)テレビ放送の基準(EBU R128)

数字は、大きい(0 に近い)ほど、大きい音です。自由な値も入れられます。

4. 音量の上限とリミッター

音量を上げると、波形の一番高い所が、0 dB を超えて、音が割れることがあります。「音量の上限」(初期値 −1 dBTP)は、それを防ぐための、天井です。

  • リミッターにチェックあり(初期値): 上限を超える所だけ、ごく短い時間で、滑らかに下げます。下げる量が小さければ、聴いても、わかりません
  • リミッターにチェックなし: 音は、いじりません。代わりに、上限に収まる所で、音量を上げるのを止めます。目標まで届かないことがあります

尖った音(ドラムや、ピアノのアタックが強い曲)は、目標まで上げると、リミッターが強く働きます。「状態」に、最大の下げ量が出ます。5 dB 以上のときは、聴いて確かめてください。

5. ノイズ対策

「ブーン」という低い雑音だけを、削ります。ふつうの音楽は、「なし」のままで、かまいません。

選択肢何をするか
なし(初期値)何もしません
低音の雑音をカット(40Hz 以下)風の音、マイクを触った振動、床の揺れなどを削ります。ふつうの低音は、ほとんど変わりません
ハム除去 50Hz電源由来の「ブーン」を削ります。東日本、ヨーロッパ向けです
ハム除去 60Hz同じく、西日本、アメリカ向けです

選ぶと、全部のファイルの音量を、測り直します。削った後の音量で、そろえるためです。

注意点があります。

  • 「サーッ」というノイズ(ヒスノイズ)や、声の背景ノイズは、消えません
  • ハム除去は、ベースの音が 50Hz や 60Hz のちょうどにあると、その音も、少し細くなります。ハムが聞こえないファイルには、かけないでください
  • 試聴には、ノイズ対策は、かかりません。効き目は、書き出したファイルで、確かめてください

6. 書き出す形式と音質

形式説明
元の形式に合わせる(初期値)MP3 は MP3、M4A は M4A、FLAC は FLAC、WAV は WAV。OGG は Opus になります
MP3128〜320 kbps
M4A(AAC)96〜256 kbps。ただし、Windows では、192 kbps までです
Opus小さくて、音質がよい形式です
FLAC可逆圧縮。音質は変わりません
WAV 16bit / 24bit無圧縮。16bit のときは、小さなノイズ(ディザ)を足して、歪みを防ぎます

音質の初期値は、「元に近い値」です(元より下げません)。MP3 や AAC などの圧縮形式は、書き出すときに、もう一度圧縮します。そのため、わずかに音質が落ちて、書き出した結果の音量が、±0.5 dB ほど、ずれることがあります。ずれが気になるときは、WAV や FLAC を選んでください。

7. 保存の方法

方法説明
ZIP でまとめて(初期値)全部を 1 つの ZIP にして、ダウンロードします
フォルダに保存選んだフォルダに、1 本ずつ書き込みます(Chrome / Edge のみ)
1 つずつダウンロードブラウザの、複数ダウンロードの許可が、必要なことがあります

ファイル名は、元の名前の後ろに「ファイル名の末尾」(初期値 _gain)を付けます。同じ名前になるときは、(2) を付けます。元のファイルを、上書きすることは、ありません。

変換中は、「中止」で、止められます。

8. ショートカットキー

キー動作
F1ヘルプ
Ctrl+Oファイルを追加
Escダイアログを閉じる / 試聴を止める

対応していないもの

内容扱い
ブラウザが読めない形式(WMA など)読み込めません。別の形式に変換してから、お試しください
曲の中の、小さい所と大きい所を、そろえることできません。ファイル全体を、同じ大きさにするだけです
ヒスノイズ、声の背景ノイズの除去できません。低音の雑音とハムだけです
3ch 以上の音声先頭の 2ch だけを使います
スマートフォンでの動作確認していません
Safari、Firefox での動作確認していません

注意事項

  • 動作の確認は、Windows 11 の Chrome で行いました。音量がそろうこと、フォルダに保存、M4A(AAC)の読み込みと変換は、実機で確認しています。
  • ノイズ対策は、合成した音では確認しましたが、実際のノイズが入った録音では、確かめていません
  • リミッターで、強く下げたファイルは、聴いて確かめてください。音が潰れて聴こえる場合は、目標の音量を下げるか、音量の上限を上げてください
  • 数百 MB のファイルや、数十本の一括変換は、確かめていません。ZIP でまとめるときは、変換結果を、全部メモリに持ちます。数が多いときは、「フォルダに保存」が、安定します
  • ブラウザが、音声をデコードできない形式は、読み込めません。Chrome と Edge の、最新版が、もっとも安定しています
  • 音声ファイルや動画ファイルは、ご自身が、使ってよいものを、使ってください。ファイルは、こちらでは、配っていません

よくある質問 (FAQ)

Q. ファイルは、どこかに送信されますか。
A. 送信しません。読み込みも、測定も、書き出しも、ブラウザの中だけで行います。

Q. LUFS って何ですか。
A. 人の耳で聴いた大きさに近づけた、音量の単位です。値が大きい(0 に近い)ほど、大きい音です。ピークをそろえるより、聴いた感じが、そろいます。

Q. 目標の音量は、いくつにすればいいですか。
A. 迷ったら −14 です。声(ポッドキャストなど)は −16 が目安です。

Q. 音量を上げると、音が割れませんか。
A. 書き出すときに、リミッターで、一番高い所が、決めた上限(初期値 −1 dB)を超えないように、抑えます。

Q. 目標より小さくなったファイルがあります。
A. 尖った音のファイルは、目標まで上げると、上限を超えるので、リミッターが強く抑えます。そのぶん、全体の音量は、上がりきりません。上限を上げるか、目標を下げると、近づきます。

Q. 書き出した MP3 の音量が、少しずれています。
A. 圧縮するときに、音量が、±0.5 dB ほど、ずれることがあります。WAV や FLAC なら、ずれません。

Q. M4A にしたら、音質が、選んだ値と違います。
A. ブラウザ(OS)の AAC エンコーダが、その音質に対応していないためです。Windows では、96〜192 kbps までです。使える、近い値に、自動で下げます。

Q. 音量を、変えなくていいファイルは、どうなりますか。
A. 目標との差が 0.05 dB 未満なら、再エンコードしないで、そのままコピーします。ほぼ無音のファイルは、測れないので、変えません。

Q. 音量を上げたら、サーッというノイズが目立ちます。
A. 小さい音で録音したファイルを、大きく上げると、背景のノイズも、同じだけ大きくなります。このツールでは、ヒスノイズは、消せません。目標の音量を下げるか、そのファイルは、そろえないでください。

Q. 元のファイルは、上書きされますか。
A. されません。新しいファイルとして、書き出します。

Q. タグ(タイトルやジャケット画像)は、どうなりますか。
A. 「タグ・ジャケット画像を引き継ぐ」にチェックがあると、元のファイルのタグを、そのまま入れます。

関連

音声ファイルを、切ったり、つないだりしたいときは、Audio Cutter をお使いください。

音楽ファイルのタグを、直したいときは、タグエディタをお使いください。

技術記事

実装の詳細は、技術記事にまとめています。

更新履歴

バージョン日付内容
v1.02026/10/19初回公開(音量をそろえる、リミッター、一括変換、ZIP・フォルダ・1 つずつの保存、低音カットとハム除去、F1 ヘルプ)

クレジット

  • 読み込みと書き出し: Mediabunny(MPL-2.0)
  • MP3 / FLAC の WASM エンコーダ: Mediabunny の拡張(@mediabunny/mp3-encoder、@mediabunny/flac-encoder)。Audio Cutter のものを、共用しています
  • 音量の測定(ITU-R BS.1770-4)、True Peak、リミッター、ノイズ対策のフィルタは、自作です

ご自身で用意した音声ファイルや動画ファイルの権利は、それぞれの権利者にあります。Audio Gainは、個人の制作物です。